友禅紙工房に行ってきました -ORIGINAL PAPER ができるまでの巻き-

BOX&NEEDLEのオリジナルペーパーの作り方、ご紹介します。

 
こちらは BOX & NEEDLE オリジナルの友禅紙です。
京都にある友禅紙専門の工房で手刷りで刷っていただいています。
京都滞在中にこちらの工房を見学させていただきに行ってきました。
 
清流と田園風景にかこまれたとても美しい町で BOX & NEEDLE の紙たちは作られていました。
このあたりは時代劇の舞台になる事も多い映画にゆかりの深い土地だそうです。でも映画館は
ないのだそうな。。。
京都市から1時間半ほどかけて自然に囲まれた友禅紙工房に到着しました。
急な訪問のお願いにも関わらず、快く迎えていただき、紙が出来るまでの行程を
とても丁寧に教えていただきました。
まず見せていただいたのが BOX & NEEDLE のオリジナルの版。
せつこさんが手彫りで作った数字が整然と並んだ見覚えのあるデザインが版の形で登場し
テンションも上がります。
版そのものが、ものすーごくきれいなんです。「菊版」と言われる大きめのサイズで
迫力あります。
細かいメッシュで白く透けている部分を染料が通過して紙に刷られるようになっています。
この工房で刷っているデザインの中でも最も細かい線の使われたデザインで、しかもその線が
密集しているので線同士がくっつきやすく職人泣かせのデザインですと、工房長さんも苦笑気味。
「でも僕は、このデザインが好きですよ。」とおっしゃってくれたのはお世辞でなく、
版を見つめるまなざしから本当にそう思ってくれているのだと感じられました。
 
料理で言うレシピ。
染料同士を組み合せて一色ずつ色は作られていきます。その配合はカルテに記録されて
サンプルの紙と一緒に全て保存されています。
上の3色は今お店でも販売中の色。柿渋のような茶など全体に和の香る色合い。
醤油大さじ1、味噌大さじ1でこのような茶色になるとか。なりません。
そして新しい色で現在、注文中の紙も見せていただきました。
 
寒色でまとまった新作。色が替わるとがらっと土着的な雰囲気から都会的な印象に
様変わりします。あか抜けちゃって、シティー派に。
 
これがこの子たちのカルテです。
では、その染料を調合する調合室にまずは潜入!
初めてオリジナルペーパーがお店に届いた時にも薫っていたあの染料のいい薫りが充満した
薄暗い調合室。
壁も蛇口もそこにいる人も何もかもがここでは1枚のキャンバスのように繋がっている
ようでした。
長い時間の中で積み重ね続けられた色の粒が部屋を埋め尽くし見たことのない空間に。
 
窓から注ぐ僅かな光の下で色の粒だけが星のようにきらきらと輝いていました。
先ほどの版を使って実際に紙に刷る「捺染」の様子を見せてくださることに。
即席で色を少し作っていただきました。
 
ミキサーでしっかりと撹拌してあっという間に染料ができてしまいました。
職人さんの靴まで遠い銀河のようです。
 
時おり射し込む強い日差しがプラスチックボトルを通して拡散し、ライトのように一瞬まわりを
明るく照らしだしたのを、ただ幻想的でぼけーっと眺めていたら奥から工房長さんが呼ぶ声が。
始まる始まる。
 
先ほどの染料を版の下部に取り付けた受け皿に流していきます。版が細かいので染料は固めに調節されています。
ゆるいと密集した線が潰れてしまうからです。
その固さはやはり長年の勘だそうです。
 
染料が固くなればそれを捺染する際も力が必要になります。これは染料を均一に延ばすための
「コマ」と呼ばれるへらです。いくつかありますが同じように見えてそれぞれ異なった特性を
持っています。
へらの先端が丸みがあるもの、角が立っているもの、柔らかくしなるもの、固いものなど
版のデザインや染料の粘度によってこれらを使い分けないと美しい捺染はできないのだそうです。
線にシャープさを出したり、染料が紙にのる量を調節したり、濃淡もコマの使い方で
変化します。コマだけでも何十種類もありました。
BOX & NEEDLE の版では固い染料とコマも固めで角のあるものを使って細い線をシャープに
出す必要があります。
長い版台に和紙をずらーっと並べ固定して、そこに版をのせて上からコマで染料を延ばして刷っていきます。
 
上から下にコマを下ろしていきます。きっと均等な力加減でコマを下ろしていくのは
簡単な事ではないと思います。私もやってみたかったけど勇気がなくて言い出せず。
意気地なし。
 
版を持ち上げると紙の上には厚みのある染料がつやつやと光っていました。
細かな線もくまなく再現されて。
 
合掌。こんなにきれいに刷っていただいてね。。。ありがたいことです。
 
ひと仕事終えた版は汲み上げられた冷たい地下水でキレイに洗ってもらいます。
さっぱりして気持ち良さそうです。
まわりが田んぼということもあり排水はタンクでしっかり処理して汚れた水は流れ出ないように
配慮されています。そうやって長い間この土地で、静かに友禅の和紙たちは作り続けられてきました。
大切に、まじめに。
いいもん見たなー。そしてすてきひとたちに出会うことができた、忘れられない夏のある一日でした。

こちらの紙は on line boutique でもご覧いただけます。
ご興味のある方は是非。

 
そういえば、きょうこさんより文が参った。。。
 
山高きがゆえに貴からず  樹あるを似て貴しとなす
と。
意味も添えてくれた。
山は高ければいいというもんじゃないのだそう。
そこにたくさんの樹があってこそ貴いんだとういう意。
深田久弥氏という方は著『日本百名山』においてこのように述べておりました。
 
「高さで秀でていても、平凡な山は採らない。
厳しさか強さか美しさか、
何か人を打ってくるもののない山は採らない。
人格ならぬ山格のある山でなければならない」
 
樹々豊かなお店になりたいと願います。
 
mayuka

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